Topぺージ他作品集旧作品物語 -目次-第一章4葉 p1234━5━678910111213━━次葉へ
 「何よ。」アラエグマは少し訝しげに振り返った。
 「いやいや、まずはこの中で一番泳ぎの得意なオレが最初に渡って、ほんとに何も出ないか確かめようと思うんだよ。」
 アルビノカワウソは尻尾をゆっくりとくねらせながら微笑んでいる。
 「うーん、どうも怪しいのよね。あんたが言うと。」
 「そう、その気持ちが大事なんだ。これは奇術の試験だからね。どんなタネや仕掛けが張ってあるか誰にも分からない。もちろんキミが綺麗にしてくれたこの川もまだ疑わしいんだよ。」
 「でもねー。悪いけどあなたの方が川より疑わしいのよ。」
 アルビノカワウソが表情を険しくした。
 「普段は川底の泥の中にひっそりと潜んでいる。上から見つけることなんて誰にもできない。何も知らず通りがかった魚は、一瞬の内にひと飲みにされ、自分が餌になったことすら気づくことはできない…。オレはそういう怪物みたいな魚をいくつも見てきた。」
恐ろしい怪魚よ
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