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| そのころドロネズミは川の上流で一匹、途方に暮れていた。 「コアラ君に付いてけば、何とかなるかなーと思ったんだけどな〜。いきなり川に突っ込んでくんだもんな〜。」 ドロネズミは近くの木に登り始めた。 「完全に、水煙に巻かれちゃったよー。さあこれからどうするかな。」 ドロネズミは木の中ほどまで登ると、カリカリと木の実を囓りながら考えた。それからふと空を見上げるとあるものが目に入った。遠くの方で大空を真っ二つに区切るように伸びる垂直の棒。ジュキリンの首だ。 「ジュキリン?あれはスタート地点じゃないかっ。やれやれお婆さんまだあんな所?」 首の回りに数匹のコウモリが飛んでいるのがまるで、ひらひらと舞う蝶のように見えた。てっぺんの方が木の枝などにさえぎられて見えないので、ドロネズミは木の実をくわえたままもっと上まで登った。しかしの彼女の首は想像以上に高く伸びていたため、顔はもはや薄い雲の中に隠れてしまい確認できなかった。 「ひゃー、あれで息できるの? ジュキリンはあの首一本に懸けるつもりなんだなーっ。」 ドロネズミは持っている木の実の残りを食べきると、今度はちょうど頭上に生っていたより大きい実を背伸びをして引き寄せ、そのまま囓りついた。 「お婆さんがいつ動き出すのか見物だなー。──うんおいしい、こっちの方が熟れてるんかな。」 |
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