Topぺージ他作品集旧作品物語 -目次-第一章6葉 p12━3━45678910111213
コウモリの少女  コウモリはゆっくりみんなを見回した。
 「コホンッ、警告は2回もらうと失格になるの。技巧師名ガスカンクさん…でしたっけ? コホン、あなたはもう一度の警告で失格、ということ。分かる?」
 ガスカンクはへどもどする。
 「う、いや、怪物って言ったのはあの、いきなりで分からなかったから……、よく見ればあなたってばとってもかわい、カワイイです…。」
 コウモリは喉をいたわるように少し撫でた。
 「いやいや、コホッ、分かってないわね全く。私がどうして咳き込んでるか、分からない?」
 ガスカンクは、分かる?と言いたげにアラエグマの方を見る。
 「もしかして、さっきのどえらい炎の上飛んでたんじゃ…?」アラエグマが言う。
 コウモリの少女は羽を畳み直して、細いため息をついた。
 「熱いなんてもんじゃなかったわ、あの湯気、目玉が溶けたかと思ったほどよ。クホン、ガスカンクさん、あなたのお鼻の上に落っこちなかったら、こんな喉荒れ程度じゃすまなかったわね、きっと。怪我しちゃいけないってルールは聞いたはずよね?」
 「あ、うん〜、ごめんなさいっ。」ガスカンクはうつむく。
 アラエグマは小首を傾げた。
 「え?それって巨人の井戸でなんか簡単な説明したコウモリのことよね? あの怪我するなってのは、私たちに言ったんじゃなくって?」
 コウモリはすぐに返答する。
 「あなた方はもちろん、この試験の関係者ぜんぶよ。手品師にとって怪我人出すってのは致命的でしょ。ま、あなた方はプロなんだから、それはわきまえてらっしゃるはず。」
 「…………うん。」
 ガスカンクは自信なさそうにうなずいた。
 アラエグマが前へ出る。
 「ちょっと待って。じゃああの水の化け物、あんなの絶対反則じゃないの?! アルビノカワウソが作ったのよ!」
 「あなた方は怪我してませんよね。妨害するのがルール違反とは聞いてないはず。怪我さえ負わさなければスイカ大の雹(ひょう)を降らせたってOK。」
 コウモリの少女は軽く言い放ってから対岸の方を見つめる。
 「あのルミネ族、ずっと素直にあなたたちのこと待ってるわよ。優しいとこ見せたって点数にならないって言っとこうかしら。」
 そう言ってコウモリは素早く飛び立つ。
 「ご健闘をbb。そろそろ急いだほうがイイわよ。」
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