| 〜プロローグ〜 動物達の中には、不思議な技を備えた者がわずかながら存在する。それは、例えばただの棒きれを美しい花束に変化させる。カップの中のコインを瞬間移動させる。などの、人間たちが「手品」と呼んでいるものに相当する。しかし、ごく一部の動物がとり行う手品はそんなものではない。おそらく人間のどんなに優れたマジシャンでも、その“種”を見破ることはできないであろう。 しかし、普通は動物たちが人間の前で手品を披露することはない。それらは人間の見えないところで、こっそりとその秀逸なる技術を磨く。 あるとき、金の卵の作り方を発見して大富豪となったアヒル「家の鴨」は、その豪邸が人間たちにより壊されてしまったので、前よりも深い森の奥に、前よりも丈夫で大きな住まいを建てることにした。とても大きな家になる予定なので、自分と召使いだけではいささか寂しくなると考えた家の鴨は、大好きな不思議な技を見せる技巧師を、家に常駐させようと決めた。 その知らせは、コウモリネットと呼ばれる情報通信網によって各地に伝わり、12の方角から、12の名のある手品師たちが集まった。しかし家の鴨は全ての手品師を独占するつもりは無かったので、住まわせるものは2匹と決めた。 居住権をめぐり12匹の動物達の手品の戦いが始まる。勝ち残った者には裕福なる暮らしが約束される。 |
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